東京湾は雨の中 [釣り日記]
と言うことで、雨の天気予報もどこ吹く風でいつもお世話になっている久比里の山下丸さんへ釣り仲間と二人でお邪魔したのでした。ターゲットは予定通りカワハギです。
イカの王様を求めて [釣り日記]
今月から行きつけの釣り船屋さんにて乗合船がスタートしたので早速行ってみた。
イカと言うのはあの足で魚などを捕らえ、鋭い嘴で食べている。餌は釣り方によっても色々で、生きたアジを泳がせて釣る方法もあれば、エギ(餌木)をたくみに操ってイカを抱きつかせると言う方法もある。
今回はエギを使った釣り方である。ちなみにエギってこういうの↓
これを水中でしゃくるとあたかも生きた小魚かエビのように見えるのか、忍び寄って抱きついてくる。
エギの色は多数あるが、ピンクやオレンジが実績があるようである。この色の選択が重要で、ハズレカラーを選ぶと全く釣れないと言うことにもなりかねない。その日のイカの機嫌を見極めていち早く当たりカラーを選択するのが好釣果への近道。
さて、釣り当日。天気予報は曇り。釣り船屋に着くと、用意を済ませ、エギを買い足しに受け付けに行った。海底にエギが引っかかり、無くしてしまう事もあるため、予備がないと心細い物だ。受付に行くと、ちょうど船長がいたので話しかけた。
「やっぱりピンク?」
「うーん、オレンジ・・・」
そういいながら船長はいくつかあるエギの中から、くすんだ銀色のエギを選び出した。
「これが面白いよ」
良く見てみると、それはコノシロ(コハダの親)カラーのエギで、とってもリアルに出来ていた。ピンクやオレンジに比べるととっても地味。海水の色が透明で、明るい日などはナチュラルな色のエギが効果を発揮すると言うが、今日は曇り。しかし、船長がおすすめするならと、一つ買ってみた。秘密兵器として面白い釣果を期待したい。
船に戻ると一人の若者がデジタル一眼レフで写真を撮っている。
「ほう・・・」
釣りと写真が好きなんて、似ている人もいるものだ。そう思っているとその男が話しかけてきた。手には釣り専門の新聞を持っている。
「おはようございます。週間釣りニュースの者です。御存知ですか?」
「ええ、たまに読みますよ」
「ありがとうございます。今日は取材させていただこうと思いまして。それで、釣れた時など写真を撮らせていただきたいんですがよろしいですか?」
「ええ、良いですよ」
「ではよろしくお願いします。こちら差し上げます」
そう言って週間釣りニュースを手渡した。
(ふ、ふふ、ふはははは!これででっかいアオリイカの2~3杯も釣り上げれば俺はスーパーヒーローだ!)
私は野望に燃えつつ、入念にエギを選択した。
朝、暗い時や濁り潮には派手な色がいいと言う。船長はピンクよりオレンジを押していたような感じだったのでまずは上の写真のオレンジのエギをチョイスした。周りの釣り人たちもピンクやオレンジを選択しているようだ。
船がポイントに到着して釣りがスタート。いきなり私の隣の釣り人が小ぶりではあるがスミイカ(コウイカ)を釣り上げた。
「先を越された!」
だがまだ始まったばかり。私は竿をしゃくるテンポを色々試しながらイカの乗りを待った。しばらくするとズシンと竿を振り上げる腕に衝撃が走った。巻き上げると、あまり大きくはないがスミイカだった。よしよし。オレンジのエギでよかったみたい。
さらにエギを投入。しゃくり続けると再びグンッっと衝撃が。
「よっしゃぁ」
逃げられないようにリールを巻いていると釣りニュースの記者がカメラを構えて近づいていた。
(ヒーローになるチャンス!)
私は慎重に糸を巻き上げると、エギをつかんでそっと取り込んだ。これもアオリイカではなくスミイカだった。
私は取り込んだ瞬間にカメラを振り向きピースサイン。記者がシャッターを押す。隣の釣り人達から笑いが漏れた!
(よし!ウケた!)
「もう一枚お願いします。ついでにこれも着てください」
ライフジャケットを手渡してきた。なるほど、安全のために船の上ではライフジャケットを着るのが正しい!私も金に余裕があればぜひ一着ほしい所だ。エギに抱きついたままのスミイカを記者に渡し、代わりにライフジャケットを受け取り羽織った。かぶっていたジャンパーのフードを外し、顔をあらわにし、帽子のひさしで顔が暗くならないように浅めにかぶりなおした。記者がイカを渡しに返す。スミイカを刺激しないようにそーっと受け取る。スミイカの墨はその名の通り墨汁のように黒く、強烈である。刺激すれば一気に墨を吐き出し、その墨を浴びた者は真っ黒けになってしまう。しかもなかなか落ちない。釣り人はこれを墨爆弾と呼ぶ。
イカをかざし、カメラに向かってポーズ。あまり顔には近付けたくないが、
「もうちょっと顔のそばでお願いします」
と、カメラマンが言う。
恐る恐る顔に近づけた瞬間。
「ブシュッブシュシュゥー!!」
「うわぁ~っ!」
イカが墨を撒き散らしたかに思えた。しかしそれは幸いに海水だけだったので被害には至らなかった。
気を取り直して写真に納まった。
「はい、ありがとうございました!」
私はイカをバケツにそっと置き、ライフジャケットを返した。
(フッ、フフフ・・・釣りが始まってまだ30分ほど。それでこのペースなら20杯近く釣れるんじゃないか?それに、巨大アオリイカも夢ではない。そうなれば釣りニュースの一面トップも夢ではなくなる。だがまだだ。まだ安心するには早い)
気を引き締めながらも、頬は緩んでしまうのであった。
それから約2時間後。どうやら潮の流れもイマイチ。全く釣れていない。エギの色をピンクにしたり、船長おすすめのコノシロカラーにしてみたり。はたまたしゃくるスピードを変えてみたりといろいろやってみるが、全く釣れない。そして雨が降りだした・・・。
船の上は寒く、曇り予報だった為完璧な防水ジャケットで挑まなかった私のズボンに雨水が染みて来るのを感じた。途中、エギに鋭い噛み傷がついたりもしたし、(イカが?)チップしたりもしたが一向に乗らない。たまに釣り上げる人のエギを盗み見ては、エギの色をまねたりもした。しゃくるタイミングを併せたりもした。
2杯目を釣って釣りニュースの記者に写真を撮ってもらってから6時間が経っても私は1杯のイカも手に出来なかった。 そして雨と寒さに震え、釣り終了の時間となった。
(こ、、、こんなはずじゃない、、、)
帰りの船の上、船長に聞いてみた。
「今日の頭はいくつ?」
「アオリが1杯とスミイカ8で9杯だね。二番手の人が6杯かな」
「出だしが良かったからもっといけると思ってたけど、最初だけだったね」
「そうだね。潮が流れなかったからねぇ。潮が行きだせばまた釣れると思うよ」
「また来ます・・・」
こうして私はヒーローとは程遠い結果に打ちのめされたのでした。釣り上げた2杯のスミイカは刺身でいただきました。スミイカは釣ったその日より1日か2日くらい寝かせた方が甘みが増して美味くなる。沢山釣れたら毎日その味の変化を楽しめたのになぁ。
まあ、次です次!24日にカワハギ釣りに行って来る予定です!
『今回の全釣果 スミイカちゃん2杯』
カワハギシーズン到来 [釣り日記]
9月も半ばを過ぎていよいよカワハギのシーズンがやってきました。一年中釣れる事は釣れるが、これからだんだん群れが集まってきて数が釣れる時期になります。寒さが進むと肝も充実して大変美味しいカワハギの刺身が食べられます。美味なる事この上なし。
さて、いつもお邪魔している釣り船屋、久比里の『山下丸』さんへ友人と二人で出かけた。平日だというのにものすごい混雑。さすがカワハギ釣りのメッカ・・・と思っていたら、どうやら隣の釣り船屋さんが釣り大会を催しているようで、一般客が山下丸さんに流れて来たようだ。
私と友人は胴の間(船の真ん中)での釣りとなった。後ろか前のほうが良くつれるのだが、仕方が無い。
船は港へ出て、帆を揚げ、ポイントを目指す。久しぶりのカワハギ釣りを前にドキがムネムネします。
マストには何故か幸せの黄色いハンカチが!良く見るとビニールのようですが、何かの目印でしょうか?
しばらく走って釣り場に到着。ここは剣崎沖のようです。早速釣り始めます。ベラが沢山つれました。
私は全部リリース。
そのうちにやっとカワハギがつれました。ベラが真っ先に餌に食いついてしまう為、なかなか本命のカワハギは釣れないのです。
そうこうしている内にベラさえ釣れなくなってしまいました。潮の具合が良くないようです。
時折こんな魚も釣れました。
これはテンスと言う魚みたいです。やはりベラの仲間。頭の形がアマダイに似ていますが、別物です。友人は以前フライにして食べたそうです。
私にもテンスが一匹。ターゲットはあくまでカワハギなので逃がしました。
ぽつーりぽつーりとなんとも間の遠いことでカワハギが釣れる。一時間に1匹のスローペース。昼になろうと言う頃までわずか4匹。このあたりで、カワハギの写真を一枚も撮っていないことに気づいた。けっこう良いサイズの物がつれたのだが、もう〆て血抜きしてあるので写真には適さない。釣り上げた瞬間の写真を撮るために、何としても釣らなければならない。
9月とはいえ晴天の為日差しが強い。
魚が釣れないのでおにぎり食べながら景色を写したりして気分転換。
ようやく久しぶりにカワハギが釣れました。
やっぱりカワハギの引きは良いですねぇ。じっとしていて釣れる魚じゃないので面白いんでしょうね。3時の終了まで頑張って釣り続けました。
結局私も友人も7匹で終了。なかなか難しい一日だった。しかし後で知った事だが、こんな日に20匹も釣り上げた人がいると言う。うーんカッコイイ!秘密のテクニックを持っているんでしょうね。
さて、船は無事に港に帰りつき、私も電車に乗って無事に家に帰り着き、道具を片付けるとシャワーを浴びてカワハギ4枚持って行き付けの居酒屋大関へ。
『大関部長の手による 「本日釣りたて活け締めカワハギ姿造り」』
左のさらに入っているのはポン酢。薬味はアサツキとモミジオロシ。お造りの皿の左下角にあるのがカワハギの肝を包丁で軽くたたいた物。これを刺身に載せてポン酢をつけて食べるも良し、醤油に肝を溶かしてそれに刺身をつけて食うもよし。
舌がとろけるような美味さ。顔は緩みっぱなしになる。酒が進んでしょうがない。
11月の最盛期を迎える頃にはさらに肝が充実して身の美味さも研ぎ澄まされてくる。
今年は後何回食べられるのだろうか?
美味なる「本日釣りたて活け締めカワハギのお造り」ぜひ皆様にもお裾分けしたいものです^^
シロギスフィッシング [釣り日記]
天気が悪くてお流れになっていた釣りがようやく決行された。梅雨の晴れ間の暑い日で、風も海も穏やか。気持のいいつり日和となった。
いつもお世話になっている久比里の山下丸さんでシロギスを釣る事になった。シロギスは白身で淡白な魚。天麩羅が一般的である。ビールに合う事言うを待たぬ。その他にも新鮮ならば刺身。大きなものは塩焼きでも良い。今回は姿寿司を作ろうと心に決めていざ出港!
この日は大潮であった。潮の干満の差が大きく、このような時には魚が良く餌を食べる。あまりにも潮が早いと釣りにくいが、ちょうど良い流れの所に船頭が連れて行ってくれるに違いない。
船の上で釣りの支度をしていると、乗客の一人に声をかけられた。
「あ、あなたは!」
「んん?!」
「去年、この船でマゴチを釣ってましたよね!」
「おお!覚えてますよ」
確か去年の今頃の事である。
・・・・・その日も私は船の上で釣りの準備をしていた。すると、一人の乗客が声をかけてきた。
「あのー、山下丸のホームページに写真(山刃斎日記第一話)が載っていらっしゃった方ですか?大きなマゴチを釣った・・・・」
「いかにも」
「私もマゴチを狙おうと思って、準備して来たんですけどどうですかね?」
「あれは時の運ですからね^^来たらラッキーですね。私も狙ってみますよ・・・」
そしてその日も私は見事にマゴチを釣り上げたのだった。声をかけてきた人は残念ながらマゴチは釣れなかったようだが、シロギスを沢山釣っていた。そんな出来事があった・・・・・・・・・。
今回、その時の人とまたしても乗り合わせたことになる。偶然と言うのはあるものだ。
「今日もマゴチを狙おうと思って用意したんですよ」
「私も狙っていきますよ^^」
「隠れた本命って事で。頑張りましょう^^」
その客は自分の席に戻っていった。
さて、操舵室に隠れて無賃乗船しようとしていた野良猫を船長が追い出すと、いよいよ出港。
やはり全体的に潮の流れが速いようで、海に出てすぐの所でいきなり釣りが開始された。
私の釣り仲間が竿を下ろすと一発でシロギスが釣れあがってきた。釣り仲間は竿を2本用意しているのだが、片方の魚を取り込んで、餌をつけて下ろすと、すでにもう片方の竿に魚がかかっている・・・・と言う入れ食い状態で大変忙しそうだ。
「これじゃあ、釣った気がしない・・・」
等と、うれしい悲鳴を上げている。
『山刃斎日記初登場 釣り仲間のノリさん』
私もぼちぼち釣り上げた。なぜかペースはゆっくりだけど・・・^^
『シロギスちゃん』
釣りをしながら写真を撮ると言うのは難しい物だ。早く釣りたくてあせるし、船は揺れるし、魚はじっとしていないし・・・。何と言うことか・・・ピントがあっていない写真がたくさん撮れてしまった。
しばらくすると船長がやってきて
「どう?山刃斎さん?向こう側でマルイカとマゴチが上がったよ。今潮が流れているから何にも誘いを入れないほうが食ってくるみたいだね」
と、情報を流してくれた。
「ほんと、置き竿のほうがかかってくるよ」
ノリさんは相変わらずコンスタントに釣り上げていく。
「そう、マゴチが上がった?じゃあ、俺もそろそろ狙うかな」
私は竿をもう一本出して、シロギスにまざって釣れて来た小さなメゴチを針につけて下ろした。マゴチは生きた魚を食べるので、生き餌を使うと楽しい釣りができる。スリルがたまらんのです^^
しかし、待てど暮せどマゴチのあたりは無かった。
シロギス狙いの竿には時折珍客も。
『ホウボウ』
このピントの合っていなさはどうだ!恥ずかしい・・・。
『踊っております イイダコ』
可愛いイイダコちゃんは塩で揉んでぬめりを取り、墨袋を取って、さっと茹でてワサビ醤油でポイと口に放り込むと大変美味しい。でも今回は一匹だけだし、海に帰した。イイダコの最盛期は11月ごろかな?
そんなこんなで、楽しい釣りも終了の時間。私は執拗にマゴチを狙ってどっちつかずになりシロギスの数も伸び悩んだ。
『私のクーラー これが全釣果です』
私はシロギス40匹にメゴチが13匹。なぜかカタクチイワシが2匹(船の上で干した)。家族で食べるのにちょうど良い数だった。
釣り仲間のノリさんは70匹釣り上げた。
「ああぁ、家に帰ってから捌くのが大変だよ・・・」
ノリさんはまたもやうれしい悲鳴。まあ、料理好きな奴だから大丈夫だろう。
「次は何を釣りに行こうか?」
「イサキなんてどうだよ」
「そういえば、ライトタックルで釣るイサキが金沢八景から出ていたな・・・」
「半日船のライト鯵でもいいな」
「まあ、その辺で考えておくか。それじゃあ、また来月」
かなり日に焼けたが、とっても楽しい一日だった。
家に帰ってから早速シロギスを捌きはじめた山刃斎だったが、その直後、あまりの包丁の切れの悪さに激怒するのであった。そして数日後、屋上にてせっせと包丁を研ぐ山刃斎の姿があった。
最終釣行 [釣り日記]
☆前回の記事の赤い実。皆様に教えていただき、ピラカンサということが分かりました。ありがとうございます^^ずいぶん沢山実をつけるものなんですね!おまけに1500込めのnice!もいただきました。皆さんに御覧いただく事が励みになり、2005年より創めたこの山刃斎日記も今年で3年目になります。これからも欲張らず、背伸びせず、自然体でやって行きたいと思いますので宜しくお願いします^^
さて、私の趣味といえばサボテン栽培です。そろそろ玉翁という種類は花を咲かせてもおかしくない時期ですが、一向に花の咲く気配がありません。引越しで環境が変わったせいでしょうか?
私の趣味といえばサボテンのほかにも色々あります。自転車に乗ったり、釣りをしたり、写真を撮り歩いてみたり・・・。趣味は人生の潤滑油だとか。仕事ばっかりしていては、油切れでそのうち体がなめらかに動かなくなっちゃいます。それを防ぐためには時には息抜きが必要です。でも、私の場合は潤滑油だらけって事になっちゃいますね。なんちゃって。ここ数年、一生懸命働きましたよ!
前置きが長くなるとしらける物です。たとえば大晦日の格闘技番組。前置きだけで1時間30分は使いますからね。今日は去年最後の釣りの話です。
前回の釣り日記の最後に、「明日また釣りに行く」と予告しておきましたが、予告どおり釣りに行ってきました。
いつもお世話になっている山下丸さんです。
ターゲットはカワハギです。冬のカワハギは美味いです。この上なき美味です。特に、その発達した肝の味といったら・・・・。皆さんを集めて、分かち合いたいくらいです。
一年の締めくくりの釣りなので、何とかいい釣りがしたいと、興奮気味で出かけてきました。
『港の朝』
一緒に行った友人は夜中までテレビゲームをやっていたとかで、45分しか寝ていないという・・・。神聖なる釣りの前にゲームをしていて寝不足などとは、いい年こいて何をやっているんだという感じ。その証拠に船の上で転んで顔面から血を流していました。情けない・・・。大きな事故にならなくてよかった。
出港してポイントに着き仕掛けを投入。ここのところいつもそうだが、前半は釣れないので、じっくり構える。
周りで釣れ出しても、あせりは禁物。自分を信じて無心に釣る。すると、ポツポツと私の竿にもアタリが出てくる。
『カワハギ』
丸々と太ったカワハギをゲットするに至った。隣の友人も顔を腫らしながら順調に釣り上げていく。カワハギという魚は餌を食べるのが上手く、気付かないうちに餌だけ取られるという事が多い。いかにアタリを察知して針にかけるかというところが難しく、面白いところでもある。だから、初心者とベテランとでは大きく釣果に差が出る事となる。
私はあせらず騒がず、集中して一匹一匹釣り上げた。
『大きな貨物船』
8時に出船した釣り船は午後3時に釣り終了となる。私は最後の1分まで気を緩めずに釣り続けた。終了の合図とともに竿を上げ、道具を片付ける。船長が各釣り人を回り、釣果を聞く。
「山刃斎さん、何匹つれました?」
「28匹・・・」
「ああ、そうですか!竿頭(一番多く釣り上げた釣り人の事)かもしれないですよ!後ろの方にはまだ聞いていないけど」
「ははは、竿頭だといいんだけど・・・」
船は帆を揚げ、港に向かって走った。やがて、見慣れた平作川を登り、船着場にたどり着いた。
私と友人は船を下りると、手を洗い、熱い茶を飲み、帰宅の途についた。
船を見下ろしながら夫婦橋の上を歩いていると、乗客を降ろした船の掃除をしながら船長が私に手を振った。
「山刃斎さーん!竿頭ですよー!」
「そう!ありがとうございましたー!」
久しぶりに『山下丸の情報ページ』に写真と名前が載った。私は一年の締めくくりに竿頭の栄誉を得て気分上々で久里浜を後にしたのでした。
『ぷぅー』
カワハギ&イカ釣り [釣り日記]
今月に入り、2回ほど釣りに出かけてきた。一度はカワハギ。もう一度はイカ釣り。
宿はいつもお世話になっている久比里の山下丸さん。カワハギをメインにシロギス、アジ、カサゴ、スミイカ、アマダイ等の船を出している。
12月のはじめ、私はカワハギ狙いでこの山下丸にやってきた。前回と同様、前半はなかなか本命のカワハギが釣れず、トラギス、ベラばかり・・・。とってもいい席に座っているのにこれでは恥ずかしい。時間が経つにつれ、ポツリポツリと釣れてきたものの、どうもサイズが小さい。私は小さい物は逃がすので晩のおかずが心細くなってくる。たまにキープサイズがつれてくるが、なかなか続かず、苦しい戦いとなった。
『これがこの日の一番大きいサイズ』
小さい物は逃がしたので、大きい物だけ数えると17匹。後で聞いた話だと、この日のトップが22匹だというから、逃がさず釣り上げ匹数全部申請していたら間違いなく私がトップだったはず。ヒーローになりそびれてしまったが、まあいいや、小さいヤツを持って帰ってもきっと後悔するだろうから。
釣ったカワハギはもちろん美味しくいただきました。持ち帰った魚は美味しく食べるのが魚へのせめてもの供養。
『行きつけの居酒屋 大関 にて』
刺身にしてもらい美味しくいただきました。もちろん肝醤油で!最高に美味いです。
『あっという間に骨だけ』
家で調理する場合は骨で出汁をとって吸い物にしたりします。母は骨や頭に残った身を使いそぼろを作ったりします。
日付が変わって今月の19日。同じく山下丸さんへイカ釣りに出かけました。イカといっても色々種類があるのですが、この日のターゲットはアオリイカとスミイカ。多くはスミイカ(コウイカ)なのだが時にアオリイカもつれる。私も釣った事があるが、アオリイカはイカの王様といわれるだけ有ってなかなかの美味!アオリイカを目指して出船!
エギという疑似餌。まあ、ルアーだと思っていただければ分かりやすいと思いますが、そのエギを水中でしゃくってしゃくってしゃくりまくる釣りなので、非常に腕が疲れるのである。しかし、しゃくらなければイカは抱きついてこない。私は休むことなくしゃくり続けた。8時出船で3時まで釣る。移動時間を引いても6時間半。10秒に1回竿をしゃくると考えたら一分間に6回。一時間で360回・・・・一日で約2300回以上も竿をしゃくる事になる。昔からスミイカ釣りは『シャクリ千回』等といわれる。非常に疲れた。
で、釣果はというとスミイカばかり5杯という結果だった。アオリイカが釣れなくて残念だが、大きなスミイカが釣れたので満足である。しゃくりすぎて肩が非常に痛かった。
これがこの日の一杯目。なかなかのサイズだった。
『スミイカ(コウイカ)』
スミイカの名が示すとおり、釣り上げて刺激を与えると怒ってブシュシュシューッ!っと墨を吐きます。墨汁さながらのその墨を食らうとさあ大変!漂白剤を使わないとなかなか取れません。私は何回か釣った事があるので、大丈夫でしたが、隣の釣り人はなれないらしく、船の上を墨だらけにしていました。その上、水を張ったバケツに釣り上げたイカを入れたもんだから、何度も何度も墨を吐き散らされていました。この日船は混んでいなかったので、被害者はいませんでした。
その後、船長に教えられて、水を捨てたのでイカもおとなしくなりました。その釣り人は海水を汲むと、せっせと汚した船の掃除をしていました。
時間が流れて・・・。
その釣り人がまたもやイカを釣り上げました。
(おっ、釣ったな!)
私はスミ爆弾を受けやしないかと、じっと釣り人を観察しました。その釣り人との距離は私が一番近いので気が気ではありません。
リールをある程度まで巻き取ったら、道糸をゆっくり手繰ってエギを持ちます。ゆっくりとイカの首?のあたりを握り締めてそっと針から外し、水の入っていないバケツにそぉーっと置く・・・。これが一番被害の少ない方法。
この釣り人はそっと針を外すまでは大成功。その後、水の入っていないバケツにそぉーっとイカを持って行き、あと数センチでバケツの底に置ける・・・・と思った瞬間、スミ爆弾に恐れをなしたのか、イカをバケツにボトッと落し入れてしまった。
「!!・・・」
さあ大変!刺激されたイカが一気にスミを吐き出した!ブシュシューっとスミが船上を舞い、操舵室の窓にかかった!船長は苦笑い^^;
そんなこんなで釣り終了の時間。イカをジップロックに入れてからクーラーにしまって帰宅。何でもイカは直接氷水に浸けないほうがいいらしい。
家についてからイカの下ごしらえをした。その時ついた墨の後が未だに私の爪の付け根に残っている。強力である。さらにこのスミイカは、釣ったその日よりも1日2日寝かした方が美味くなる。釣った瞬間はサクサクと歯ごたえはやたらに良いが、味はいまいち。寝かす事により、ねっとりと甘みのある刺身になるのである。2杯ほどを2日に分けて刺身で食べて、残る3匹は冷凍してある。刺身も良いが、スミイカの天麩羅は激烈に美味いという。食べるのが楽しみである。
釣るのは大変疲れるが、掛かった時の興奮と、食べた時の感動は病み付きになるものがある。またチャレンジしたいと思う。
さて、今年ももう1週間をきったという事で、今年の釣り収めに明日カワハギを釣りに行ってきます。大漁だといいなぁ。
カワハギ [釣り日記]
お待たせしました。沖縄より帰ってまいりました。沖縄レポートをお送りしたいところですがその前に予定通り先月の釣行記をお伝えします。
カワハギ編
10月の末、いつもお世話になっている久里浜の山下丸さんに行ってきました。ターゲットはもちろんカワハギです。台風が何日か前に近くを通過したので海の状態が心配ではありましたが、天気がまずまずで暖かい日でした。
台風の後で、出船時刻が満潮とあって船着場のある平作川は大変に水位が高い。この宿は海に出るまでに橋を3つほどくぐるのだが、こう水位が高いと船が出られるかが心配・・・。
船長が出船準備を進めながらつぶやいた。
「うーん、これじゃあ、出られないなぁ・・・」
「!やっぱり!」
船長は船首に水を取り込んで重くして船体を沈めた。ギリギリ船首は端をくぐれるかもしれないが、船尾が橋を潜り抜けられない可能性が高い。
「こりゃあ、みんなでバケツに水を汲んで船を沈めるしかないよ・・・」
私がつぶやくと若女将が笑った。
出船予定時刻を30分過ぎたところで出港したものの、案の定先に出船した船が橋の前で往生している。狙いを定めて、橋下数センチでくぐりぬけていった。
次は我々の乗っている船の番。
「道具はそのままで、体だけ船の後ろのほうに集まってもらえる?」
乗客の重みで少しでも船を沈めようと言う作戦だ。
私たち乗客は船の後ろに集まった。後は船長の腕次第。舵とクラッチの巧みな操作で橋の中央に狙いを定める。波の加減で船体が僅かに上下するし、海は目の前といってもここは河口なので上流から水の流れもある。船がその影響を受けてずれる。
船長は僅かにバックして仕切りなおし。もう一度川の中央に船を微調整し、橋に向かってゆっくり進む。乗客は固唾を呑んで船首を見守る。橋との隙間は20センチ程度に見える。波や揺れが起これば橋に激突することは明らかだ。
船首が橋の下に入った。船長はゆっくりと船を進める。操舵室まで差し掛かったときに、船長が頭を下げて橋をかわした。続いて我々乗客が固まっている船尾が橋に差し掛かった。全員体をかがめ、頭を下げて橋をかわす。上を見ると橋の裏側が数十センチのところに見えた。船はそのままゆっくりと進み、みごと橋をくぐり抜けた船尾が橋を通過した瞬間!
「おぉおおお~っ!」
乗客から歓声と拍手が巻き起こった。釣りとは関係ないが同じ船に乗りあわせた見知らぬ者どうしの心が一つになった瞬間だった。予期せぬ事態が思い出をまた一つ作った。こんな事が時には起こるから、無理して早起きし、出かけることは大切だと思う。家でゴロゴロしていたら出会うのはテレビの中の出来事だけである。
さて、海に出たのはいいが、思ったより風があり、うねりも出ている。なにやら釣り難そうな気配。寝不足も手伝って微妙に気持悪い。船はポイントに向かって走り出した。
『例によって マイナスボタンで引いてみてください』
この日のポイントは鴨居沖水深20メートル。あまり釣ったことのないポイントである。いつもは剣崎や、竹岡で釣る。
合図があって釣り開始。だがなかなか釣れない。うねりがあってアタリがとりにくいのである。カワハギは餌を食べるのが上手で、釣り人が気付かぬうちに餌だけ食べてしまう。アタリがなくて針を上げてみると餌がすっからかんなんて事はしょっちゅうだ。
魚が釣れることは釣れるのだが、外道のクラカケトラギスやベラばかり。いやな雰囲気がする。しかしそのうち強めのアタリがきた。
「よし、やっときたか」
巻いてみると引きがおかしい。カワハギとはちょっと違うような気が・・・。
上がってきたのは
『カレイ』
小ぶりのカレイであった。まあまあうれしいゲストではある。唐揚げでいただくとしよう。しかし、未だに私の針にカワハギがかかってこない。
「まさかボウズ(一匹も釣れない事)では・・・・」
釣り始めて2時間たっても釣れないのでさすがにあせる。いいアタリがあるものの、上がってくるのはベラで、ガッカリさせられる事が多かった。
それでも諦めずに釣りつづけるのが私のやり方。頑張って釣っているとなにやらアタリが。今度こそと巻きあげてみると・・・。
『ゲンロクダイ』
「な、何じゃ?こりゃ?」
見たことも無い綺麗な魚がつれてしまった。私は魚を持って船長のところへ行き、
「食べられる?」
聞いて見た。
船長は首を振って、
「名前は知らないけど食っても美味くなかんべぇ、図鑑見りゃのってるだろうけど・・・・綺麗な魚だけんど、色が綺麗な魚はあんま美味くなかんべぇ・・・・」
との事なので海に帰した。家に帰ってから図鑑を調べても載っていなかったので、インターネットで情報を集めてみたところ、『ゲンロクダイ』というチョウチョウウオ科の魚だということが分かった。さらに、
「熱帯魚屋に持っていくと高く買ってくれるらしい・・・」
とか、
「熱帯魚店で7000円で売っていました」
という情報を得るに至った。
7000円とは高い魚ですね。確かに熱帯魚っぽいですね。
まあ、美味くないんじゃしょうがない・・・。と、魚を海に逃がした後も釣りを続ける。カワハギは確実にいると確信している。なぜなら餌はしっかりとられているからだ。時刻は昼近くなっていた頃ようやくカワハギが釣れた。
『カワハギ』
その後はこの日のこつを掴んで一匹ずつ数を伸ばし、10匹のカワハギ(2匹は小さかったので逃がした)を釣り上げることが出来た。
行きつけの居酒屋で調理してもらおうと思ったが、風とうねりの中で釣りをしたせいでかなり疲れていたため、家で料理して食べた。もちろん薄造りにして肝醤油で食べた。うーん美味なり!今月もチャンスがあったらカワハギ狙いで出船したいと思う。
LTアジ [釣り日記]
本来ならば月に2回は釣りに行く私も、この2年ほどは釣行回数が減りつつあった。せめて月に1回くらいは釣りに行きたいものだ。
そんな中で9月末と10月末に釣りに行ってきたのでそのレポートを。
9月末。ライトアジ。
ライトアジとは一般的なビシ(オモリとコマセカゴが一体となった釣り道具)を使った釣りとは異なり、軽い仕掛けで釣る。普通のアジつりで使うビシは130号くらいの物で、これは結構重い。リールも電動リールを使い重労働であるが、ライトアジの場合はオモリが30号くらいだし、水深も浅いので楽ちんである。まあ、その分釣れてくるアジのサイズは小型である。大体が15センチ~20センチくらい。
私はアジを釣るのがはじめてであった。普段はカワハギやらシロギスやらマゴチ、カサゴ等をメインに釣っている。コマセを使う釣り自体あまりやったことがないのである。だから専用の道具も持っていない。
船宿に着くと受付で
「道具一式レンタルで・・・」
と告げ、料金を払って船に乗り込んだ。しばらくすると船長が貸し竿を持って来てくれた。
「アジは初めてなんですけど、釣り方はどうすればいいんですか?」
「場所に着いたら釣りながら教えるよ」
とのことで、船は現場へ
『-ボタンで引いて見てください^^』
船長は魚探(魚群探知機)を見ながら慎重にポイントに入ると碇を下ろした。そして早速レクチャー開始。
「まず、かごにコマセ(魚を寄せるためのイワシミンチ)を詰めて」
「針に餌をつけて。イカタン(イカの切り身を食紅で赤く色付けしたもの)でも食ってくるけど、アオイソ(アオイソメと言う環形動物)の方が食いがいいよ」
「垂らし(アオイソの針からの長さ)は?」
「2センチくらい、そう、そのくらいでいいよ。出来たら入れて」
仕掛けを海に投入した。結構潮が早く、道糸がふけていく。
「そこに付いたら糸ふけを取って、一メートルくらい巻いて」
「はい」
「そこで2回くらいコマセを振って。シュッ、シュッ、て感じで・・・そうそう・・そうしたらそこから50~80センチくらい上げて待つ。これを2回3回繰り返すとコマセがなくなるから巻き上げてコマセを詰めなおして。最初はかかってこないけど、コマセが効いて来れば当たり出すよ」
と、言うのがこの釣りの流れ。私はドキドキしながら繰り返すと3回目くらいに竿先にアタリが来た。アジは口が弱いので乱暴に巻き取るとバレて(針が外れて逃げられる)しまう。慎重に巻いてくると、見事アジであった。
アジはその後も釣れ続け、終わってみると私は80匹以上のアジを釣り上げていた。東京湾のアジは小型でも脂が乗って美味!でも、80匹も釣っちゃってどうしよう、、、ちょっと途方にくれた。昼を過ぎたところで船長が、
「アジ十分釣ったから、サバでも狙ってみようか?」
「そうだ、これ以上釣ったらクーラーに入りきれなくなっちゃうよ」
「じゃあ行こうか!」
船はサバ狙いのポイントへ移動した。
しかし、釣れたのは30センチくらいの小型のサバだけだった。
「うーんそのサバじゃ自慢できないなぁ・・・釣れる時は50センチくらいのサバが上がるんだけどなぁ・・・・」
大きなサバが釣れなくて残念だったが、アジがたくさん釣れたので大満足であった。帰りのクーラーの重いこと。それは地獄だった。
次回はカワハギ編
サンドホワイティー [釣り日記]
私は先月釣りに力を入れる事を約束した。富士山ヒルクライムも終わったし。春の風も去って波は穏やかなときが多い。梅雨とは言っても曇りの日を選べば(選べるほど余裕は無いのだが)快適な釣りが楽しめる。
前回の「夜メバル」に続き、先月25日に「シロギス釣り」に」出かけてきたのである。
当日の天候は明け方まで雨が降っていたものの、出船前には一応止んだ。曇っているので日差しも痛くなく快適な釣り日和であった。
前日の釣果を聞いてみると何と頭が197匹もの大漁だと言う。これは十分楽しめるのじゃないか?気体に胸躍らせての出船となった。
今回もお世話になるのは久里浜の山下丸さん。通年(7月中はカワハギは休み)カワハギをターゲットとする釣り船屋さん。
私は車を持っていないので釣りはいつも電車で行く。駅から近い釣り船屋さんはまことにありがたい。
船に乗り込み用意をしていると、
「山刃斎さん、最近シロギス好調だから竿頭狙ってね」
顔なじみの船長さんに話しかけられた。
前日の竿頭が197匹。釣っている時間は8時半頃から15時までの7時間足らずだ。一体どんなペースで釣れば197匹も釣り上げることが出来るのだろうか?まあ、私は飽きない程度に楽しく釣れればいいたちなのでマイペースで休日を楽しむつもりである。
釣りが始まる前、船長のアドバイスでは、
「投げて、誘ってくると良く釣れる」
との事だったので、仕掛けをぴゅーんと投げて、手前に誘ってくる。すると、
「ブルブルブル・・・・」
早速竿先にアタリが出た。竿を立ててあわせた後、あわてずリールを巻く。サイズはそれほどでもないが、綺麗なシロギスが上がってきた。
うん、好調好調!
私はコンスタントにシロギスをつり続けた。そして昼前、
「さて、そろそろやってみようかな・・・?」
私はシロギス釣りのときにいつも楽しみにしていることがある。それはシロギスに混じって釣れてくる「メゴチ」という魚を餌にして「マゴチ」という魚を釣り上げることである。今回も早くも昼前から狙ってみた。
マゴチを狙う竿を置き竿にして、もう一本の竿では引き続きシロギスをつり続けた。
時刻は昼を過ぎ、釣りも終盤に差し掛かった。シロギスを釣りながら置き竿の先を見てみるとなにやら反応がある。
「おっと・・・・」
そーっと竿を手にとって見るとクイクイッと魚が引く感触がある。
「(来ちゃったよぉー)」私は声にならない声で一緒に釣りに行った仲間に話しかけたが、本当に声になっていなかったらしく、仲間は気付かずシロギスに熱中している。
私は竿先に神経を集中させ、海の底で「メゴチ」を飲み込もうとしている「マゴチ」に違和感を与えないように竿先を魚の引きに応じて送り込む。そして、「マゴチ」が完全に「メゴチ」をくわえ込んだのだろうか、ひときわ強い引きが来た。
「いまだ!」
私は思いっきり竿を立てた。竿は満月のようにしなり、グングンとマゴチの抵抗を伝えてきた。
「よっしゃぁー!」
私が叫ぶと友人が気付き、
「うわ、またやったか!」
自分の竿を投げ出して駆け寄ってきた。そして船に備え付けてある玉網を掴むと海面を覗き込んだ。
魚とのやり取りを楽しみつつリールを巻き続けると、海面に黒い影が浮かび上がった。紛れも無く「マゴチ」である。
友人が網ですくい取ろうとするが、マゴチは捕らえられまいとして再び海中へと逃げ込もうとする。何度かやり取りするうちにようやく網の中にマゴチを捉えることが出来た。
「よーっしゃ!」
私の手足は快感で震えていた。
その後再びマゴチを狙うが不発。チョコチョコとシロギスを追徴してこの日のつりは終了となった。
「何匹釣れました?」
友人が船長に聞かれた。
「俺は72匹、こっちは74匹、それとマゴチ」
「そう、大したもんだよ」
友人の言うとおり私は74匹のシロギスを釣り上げ、この日の竿頭。マゴチも釣れて大満足の一日であった。
帰宅後、行きつけの居酒屋に自慢しに行こうと思ったが、なにやら薄っすらと頭痛がしてきたので自宅で夕食をとることにした。
話は飛ぶが、ここの所ストレスのせいか常に軽い頭痛に襲われている。元々頭痛もちなのだが、これ以上悪化しないことを祈るばかりである。
帰宅後に釣り上げた魚達を記念撮影したので御覧ください。
『シロギス 右上に写っている黒っぽい魚が「メゴチ」』
『ジャーン!これが「マゴチ」夏のフグと言われるように白身で美味。江戸の夏には欠かせない?』
『この日の全釣果 シロギスは刺身、天麩羅、唐揚げ、塩焼きなどで食し、マゴチは刺身で食べた。うーん美味なり!』